世界的物理学博士であり、オーディオ機器の発明家として、そして純正律の音の先駆者として生涯を音づくりに捧げた先代——その意志を継ぎ、このスピーカーは新たに「MASHIAH」として生まれ変わりました。
物語は、2018年11月のある知らせから始まります。
「モスクワの友人宅で、あなたの作品を聴きました。90秒で恋に落ちました。」
そんな言葉とともに、イスラエルから一通の製作依頼が届きました。当時、先代が手掛けていたスピーカーはすでに製作を終えていたため、後継となるモデル「MASHIAH」をご提案しました。しかし返ってきたのは、思いがけない要望でした。
「MASHIAHではなく、MOSESと名付けてほしい。パネルもMASHIAHより大きくしてほしい」
その熱意に、思わず唸らされました。古代からの一体性の愛を持った人々が持つ、まっすぐで揺るぎない情熱。それはこちらの製作意欲にも火をつけました。
準備を重ね、2019年3月に製作を開始。6カ月の歳月をかけ、同年8月、MOSESはナザレの地へ無事到着します。
それから届いた言葉は、今も色褪せることがありません。
「すでに5時間聴き続けていて、部屋を離れられない。まるでコンサートチケットを買い、パガニーニに耳を傾けているようだ。」
「あなたが心と魂を込めて作ったものは、言葉では言い表せない。心の底から、あなたに感謝を伝えたい。」
さらに、忘れがたい報告が届きます。モスクワで30年間オーケストラを指揮したマエストロ、レオン・フィッターシュタイン氏——世界的クラリネット奏者アレキサンダー・フィッターシュタイン氏の父君でもある彼が、その家を訪れたのです。
生演奏以外に心を動かされたことがないという彼に、ジャズ、クラシック、室内楽、ロックを聴かせました。目を閉じ、静かに耳を傾けていた彼が発した言葉は——
「すべてのジャンルの楽器が、自然に聞こえる。特にバロック音楽は神聖で、限りなく自然でリアルだ。」
先代が遺した音への探求は、三代目へと受け継がれ、今もなお純正律の倍音を響かせ続けています。その意志を汲み、「神の贈り物」という名を持つMASHIAHは、そして今、新たにHEALINGチューニングを施した新MASHIAHとして再び誕生しました。